外資系企業で海外駐在|良かったこと・悪かったこと

2021年5月14日

外資系企業で海外駐在 良かったこと 悪かったこと

私はメーカーの営業として2019年から2021年まで2年間タイへ駐在をしました。

もちろん、全ての外資系企業の駐在例があてはまるとは思いませんが、

 

  • 外資系企業で海外駐在を目指したい!
  • 海外駐在予定(日系・外資問わず)
  • 外資で駐在ってどうなの?

 

これらに少しでも当てはまる方の一つの参考になりましたら幸いです。

この記事では海外駐在を実際に経験し、良かった点と悪かった点それぞれ3つにまとめました。

 

 

 

良かった点1:日本人がいない

外資系企業にとって、日本人であることに大きなアドバンテージがありません。

日系企業の場合、海外駐在をすると「本社からの人」として扱われます。

私の場合は各国大なり小なりの組織が現地法人として機能しており、各国の立場は常に対等、現地に日本人はゼロでした。

 

駐在先としては特別視されない一方で、日本側としては一国を預けた立場にあります。

 

私は駐在の一つのメリットとして大きな裁量を持って仕事に取り組めることだと思います。

 

数字的にも大きな目標達成を要求されますが、一国の将来性、市場状況、対社内や顧客の期待値把握をし、日々の行動に落とし込んでいくのはやりがいがありました。

付け加え、一個人として、日本からの出向社員として存在感を駐在先に示さないと価値がありません。

 

日本人が自分しかいない場合、他に頼れる人が駐在先に存在しないため、自分自身で何とかしなければなりません。

今思えば、私は強い開拓心や挑戦心があった訳ではありません。しかし、こうした大きな変化のチャンスが訪れた時に成長できた経験から変化に飛び込むようにしています。

 

変化を楽しみ、現地と共に手を取ってビジネスを進めるのは私の中でかけがえのない経験となりました。

 

 

良かった点2:他国との密な接点

私は海外で働くことで今務める会社がグローバル企業であることを再認識しました。

外資系企業で日本国外で働くには大きく3つの方法があると思います。

 

  1. 自ら海外のポジションに手を挙げる
  2. グローバルロールを上から与えられる
  3. 現地採用(駐在ではありませんが)

 

おそらく、いずれも狭き門です。

よく転職エージェントに「グローバルポジションへのチャンスが~」と紹介されると思いますが、制度こそあれど、実際に海外で働いた日本人は少ないと思いますので面接でその人数や割合を訪ねてください。

 

話を戻します。

 

海外駐在を目指したいのであれば、日系グローバル企業に就職した方が良いと思います。

では、外資系企業で駐在するメリットは何か?

 

先述した通り、駐在中に大きな裁量を持ってできる仕事の一つに、他国と接点を持てて幅広い仕事ができる醍醐味があります。

自社に限った話では無いと思いますが、時には手を取り合い、時には社内競合として、他国同会社のビジネスのやり取りを学べたのは貴重な経験でした。

 

付け加え、私は他の東南アジア諸国+インドを訪れる機会がありました。

出張ベースで他国の日系企業をフォローし、現地の商習慣、文化、食事、土地感など、やはり現地ならではの刺激があります。

 

一時でも海外の優秀な人達と肩を並べ、仕事ができたことは今後の糧となります。

 

 

良かった点3:英語(語学力)が伸びる

日本人が社内にいないので、英語が確実に伸びます。

現地語でコミュニケーションが必須の場合、現地語が確実に伸びます。

 

出向元である日本側とのやり取りや、タイ現地にある日系企業とのやり取りもありますが、基本的に英語でコミュニケーションをしていました。

  • 社内外の打合せ、会議、プレゼン
  • 電話やメールなどの報告業務
  • 日々目にする書類関係

と、日本にいた頃と比べて飛躍的に英語を使う頻度が増えました。

タイにいた時は約50人の組織に所属していましたが、日本人は私1人だけでした。

一緒に働く人のほとんどが現地のタイ人スタッフで、タイ語が全く話せない私は英語でのコミュニケーションを強いられました。

 

先述の通り、日本人だからと現地の人達はお客様扱いしてくれません。

ここに日系と外資での駐在員の大きな違いがあると思います。

 

しかし、語学力がなくとも問題無いと思います。

海外駐在の本質は、間違いなく今までの経験、知識を持って、現地で期待されている業務をこなせるかです。

英語・現地語が話せるかは二の次です。

 

 

悪かった点1:結果を残せないと即帰国

営業ツールなどはグローバルで標準化されており、現地化された仕組みはそこまでありません。

言い換えると、即戦力として現地で結果を残す必要があります。

 

私は当初3年と言われていましたが、2年で帰任することとなりました。

コロナの影響もあり目標に対する達成率は50%以下だったためです。

 

言い訳無用。

この辺のシビアな点は外資ならではかもしれません。

 

 

悪かった点2:客先との"駐在"に対する温度差

先述の通り、日系企業からの駐在社員は本社の人としてもてはやされます。

一方で、外資系企業の駐在社員はフェアな関係です。国によって上下の関係はありません。

 

そして、良くも悪くも日本人一人だけのため、日本人からの問い合わせが全て集中します。

日系企業の場合、上司として部下である現地スタッフを指示することもありますが、私の場合、上司・部下の関係ではないため指示はできません。

 

「(トラブル時に)どうしてすぐに対応させないんだ!」と何度お叱りを受けたかわかりません。

 

言葉の壁ももちろんあります。

しかし、日本人同士と言えどこの微妙なコミュニケーションのズレがお互いにとってストレスとなり、赴任当初は現地スタッフとうまく協業できずに苦しみました。

関係各位が納得できるようにうまく調整し、コトを進めていくのも一つのスキルなんだなと学びました。

 

 

悪かった点3:海外赴任手当が無い

皆さんが考える駐在生活はどうですか?

 

・夢の駐在生活

・日本と現地のダブルサラリー

・手厚い駐在手当

・毎日運転手付き

・掃除はハウスキーパー

・長期連休には海外旅行

 

外資にはこうした手当がありません。

 

家賃補助だけは人並み以上の手当がありましたが、妻がアフタヌーンティー、料理教室、高級ランチ三昧…みたいな生活にはほど遠かったです。

あとは社有車を支給。

タイの駐在員の9割以上運転手付きですが、私は自分で運転していました。

 

私の給与としてはほぼ横ばい、家賃補助が出るため住居支出が無くなり、使えるお金が増えた程度でした。

 

もし海外駐在を機に給与アップを目指しているのであれば、短期的にはおすすめしません。

私の場合共働きだったこともあり、世帯年収としては減少しました。

 

 

まとめ

今回は外資系企業での海外駐在の良かったところ、悪かったところをまとめました。

 

日系・外資に限らず、海外で生活できる機会は多くないと思います。

世帯年収としては確かに減少しましたが、妻も私も海外駐在を後悔していません。

 

メリットとデメリットを理解した上で、想定できるリスクを回避し、スムーズな現地生活・仕事の立ち上げのお役立ちとなれば幸いです。

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